プロテインを飲み、サラダチキンを食べ、ギリシャヨーグルトで仕上げる。
そんな、たんぱく質ファーストな一日を続けていたら、いつの間にか胃が重くなっていたという経験はないでしょうか?

健康のためにやっていることが、逆に体の不調を引き起こしている。これは一部の極端な話ではなく、真面目に食生活を管理している人ほど陥りやすい落とし穴。
たんぱく質は確かに大切な栄養素なのですが、ただ「多ければ多いほど良い」というものでもなく、高たんぱく食が引き起こしやすい不調の仕組みと、体をラクにする「引き算の食事」の考え方を整理してみましょう。
「健康食」なのに不調が出る、その理由
たんぱく質は消化に時間とエネルギーを要する栄養素で、糖質や脂質と比べ、胃酸や消化酵素を大量に使いますから、それが連日続くと、消化器官は慢性的な疲弊状態に入ります。
その結果として現れやすいのが、以下のような症状です。
胃もたれ・食後の重さ
便秘(腸内で未消化のたんぱく質が腐敗)
肌荒れ(腸内環境の乱れが肌に出る)
なんとなくだるい、疲れが抜けない
「よく食べているのに疲れる」という状態は、消化にエネルギーを奪われているサインかもしれませんよ。
一日にどれくらいが"適量"なのか
一般的に、成人が必要とするたんぱく質の目安は、体重1kgあたり約0.8〜1.2gとされています。なので体重60kgの人であれば、一日48〜72g程度が目安となります。
ところが、プロテインドリンク1杯で約20〜25g、サラダチキン1個で約25g、ギリシャヨーグルトで約10gを摂取すると、これだけで軽く70gを超えます。
普通の食事を加えれば、100g近くになることも・・・。
筋肉量を大幅に増やしたいアスリートでなければ、これは明らかに過剰で「健康のため」という認識のまま、気づかずにやりすぎているケースは多いんですよ。
特に胃腸に負担をかけやすい食べ方
高たんぱく食の中でも、消化器への負荷が高くなりやすいパターンがあります。
一度に大量に食べる
たんぱく質は一度に大量摂取しても、吸収できる量に上限があり、残った分は腸内で腐敗し、ガスや便秘の原因になります。
分散して食べる方が効率も良く、胃への負担も減ります。
食物繊維が極端に少ない
高たんぱく食に偏ると、相対的に野菜や穀物が減ります。食物繊維が不足すると腸の動きが鈍くなり、消化物が停滞しやすくなります。
「たんぱく質を増やした」だけでは不十分で、繊維とのバランスが重要です。
水分をあまり飲まない
たんぱく質の代謝には水が必要で、水分が不足すると、老廃物の排出が滞り、腎臓への負担も増します。
プロテインを飲む習慣がある人ほど、水分摂取も意識する必要があります。
## 「引き算の食生活」とはなにか
引き算の食生活とは、食べるものを減らすことではなく「意識して詰め込みすぎない日をつくる」という発想で、以下のような調整が効果的です。
週に2〜3日はプロテインドリンクをお休みする
食事からだけで十分なたんぱく質が取れている日は、飲まなくていい。
夕食は消化の良いものにする*
朝・昼に鶏胸肉やたまごでたんぱく質を確保したなら、夜は豆腐や魚、温野菜に切り替える。
「今日は消化を休める日」と決める
胃が重いと感じたら、一日だけでも雑炊やスープ中心に。体が整うのを実感しやすい。
健康習慣は「やりすぎないこと」も含まれていますから、毎日きっちり続けることよりも、体の声を聞いて調整できる柔軟さの方が、長期的にはラクです。
腸内環境を整える「補いの食材」
高たんぱく食を続けるなら、腸への配慮を同時に行うことも大切で、意識して取り入れたい食材をいくつか挙げてみましょう。
キャベツ・ブロッコリー(消化酵素のサポート、食物繊維の補給)
納豆・味噌(発酵食品で腸内細菌を整える)
りんご・バナナ(水溶性食物繊維で腸の動きを助ける)
白湯・温かいスープ(消化器を温め、消化の負担を軽減)
プロテインドリンクと一緒に「バナナ1本」を足すだけでも、腸への影響がかなり変わりますので、この小さな追加習慣が、地味に効いてきます。
不調が続くときは「やめてみる」が最速の確認方法
胃もたれや便秘、肌荒れが続いている場合、まず試してほしいのが「プロテインを1週間やめてみる」こと。
食事内容を複雑に変えるより、原因と思われる習慣をいったん止めてみる方が、体の変化を確認しやすいですし、1週間後に症状が改善していれば、それが原因だった可能性は高い。
「やめたら筋肉が落ちるのでは」と心配する必要はありませんよ。
通常の食事を続けていれば、1週間で筋肉量が目に見えて減ることはほぼありませんし、それより、消化器が回復することで全体的なコンディションが上がる方が体感しやすいはずです。
高たんぱく食は、正しく取り入れれば体に良い習慣となるのですが、「健康に良いから」という理由で量を増やし続けると、消化器官への負担が蓄積します。
胃もたれ・便秘・肌荒れ・だるさが続いているなら、食事内容を増やすより「引き算」の発想を持つタイミングかもしれません。
プロテインを飲む日を減らす、夕食を消化の良いものにする、食物繊維を意識して補うなど、どれも特別な努力は必要ありません。
少し手を抜くことで、体がラクになる。それが「大人の食生活の調整」です。

